第5問 問1

問題文中の下線部について、以下の問いに答えなさい。

(1)ファンダメンタル・ファクター・モデルについて、簡潔に説明しなさい。

■答え:個別銘柄のリターンについて、利益や企業規模等のファンダメンタルズ面での銘柄特性や属性の違いに基づくファクターで 説明しようとするモデル。

(2)この分析で、株式リターンそのものや、市場ポートフォリオに対する超過リターンではなく、ファクター・リスク調整後の超過リターンを用いる理由を述べなさい。

■答え:リターンにおける業績サプライズの影響について調査したいため、市場全体の動向や他のファクターで説明できるリターンの影響を排除するため。

第5問 問2

決算発表後も数十日にわたって業績サプライズによる超過リターンが発生するメカニズムを推測して説明しなさい。

■答え:決算発表後も発表された決算内容が今後も継続するか等を投資家が見極めるて行動するため、決算発表後もしばらくは 決算内容に見合った株価とならないため。

第5問 問3

A君はPEADの最も基本的な応用方法として、次ページの運用手法「PEAD基本戦略」を検討した。しかし、インプリメンテーション・ショートフォール法 による売買執行コストのシミュレーションを行ったところ、見えないコスト、特にスプレッド・コストとマーケット・インパクトを考慮した後に、 超過リターンの大部分が失われる可能性が高いことが判明した。この2つについて、PEADを利用する際には、なぜ一般的な取引よりもコスト高になると 考えられるのか、それそれの理由を述べなさい。

売買執行コスト
(1)タイミングコスト・・・投資判断から注文執行までの時間経過に伴う価格変動コスト(買い注文:執行時株価-参照価格)
(2)スプレッドコスト・・・執行時の株価と最良気配値(成約可能な価格)の格差(買い注文:最良売気配値-執行時株価)
(3)マーケットインパクト・・・最良気配で執行可能な株数よりも多い成行注文を自ら出すことによって、実際の約定価格が最良気配よりも不利な水準となること(買い注文:平均約定価格-最良売気配値)
(4)機会コスト・・・予定数量を約定できなかったことによって発注するコスト。
■答え:
スプレッドコスト:サプライズの決算発表後は買い、売り注文いずれかに注文が偏りやすいためスプレッドコストが大きくなりやすい
マーケットインパクト:PEADの継続時間が長く、大きな超過リターンが得られるのは流動性の低い銘柄であるためにマーケットインパクトが大きくなりやすい

第5問 問4

図表1および分析結果の要点からは、決算が発表される以前に業績サプライズを先取りしたような超過リターンの発生がうかがわれる。インサイダー取引 以外で、このような現象が起こるメカニズムを推測して説明しなさい。

■答え: 業績予想と決算内容に大きな乖離があるような場合、決算発表までにアナリストの業績修正予想が何度か発表され、一度修正予想がでると 続けて同じ方向の修正予想がでることが想定され、決算発表を先取りしたような投資行動が起きたためと推測される。

第5問 問5

分析結果に見られる決算発表前の動向を利用すれば、PEADの基本的な利用方法よりも大きな超過リターンが得られるであろうと、A君は以下の運用手法 「業績サプライズ先取り戦略」を考えた。決算発表前のドリフトと発表直後の業績サプライズによる大幅な値動きの両方の獲得を狙うものである。
しかし、このアイデアをQ氏に話したところ、「実際に検証してみれば有効かもしれないが、図表1と私の説明内容を、この戦略の有効性の根拠とするには 不十分である。との意見が返ってきた。
この十分でない点とは何か、あるいは、A君の発想にどのような見落としがあるのか指摘しなさい。ただし、図表1とQ氏の説明内容の傾向は、 今後も安定的に継続するものとする。

■答え:業績サプライズの大きい銘柄において、決算発表前のドリフトの兆候がみられることは確かだが、決算発表前のドリフトが 見られた銘柄において、その後、確実に業績サプライズが起こるかについては検証されていない点。

inserted by FC2 system