第7問 問1
(2)式の効用U(x)を最大にする株式の配分比率x*を(2)式で定義されているA、B、Cとτを用いて表しなさい。
■答え:
U(x)を最大にするようなxを求めればよい。U(x)は上に凸の曲線となるから、U(x)をxで微分して、
をとけばよい。よって、
第7問 問2
A=0.02656,B=0.00128,C=0.05,τ=0.17のとき、(2)式の効用U(x)を最大にする株式への最適配分比率x*は何%ですか。
答えは小数第2位まで示すこと。
■答え:(1)で算出した式に各値を代入して求めると、(0.00128+0.05×0.17)/0.02656=0.36822
よって、答えは36.82%となる。
第7問 問3
(3)式および(4)式を前提に、株式への配分比率xが、その水準を下回ったときリバランスを行うべき株式への配分比率の下限xL、
およびその水準を上回ったときリバランスを行うべき株式への配分比率の上限xUを、問題文で用いた記号A、B、C、τ、k、n
で表しなさい。
■答え:
xLを求めるには、(3)式は株式の配分比率を増やした場合の効用の増加率を表す式である。図表1から、株式の配分比率(x)の値を
あげていくと、あるところで取引コスト(一定比率k)が効用の増加を上回る。これが株式への配分比率の下限xLである。
よって、効用の増加が取引コストを加味して0になる地点がxLとなる。
をxについてといて、下記となる。
これを問1の式を使って変換すると、
となる。
xUを求めるには、(4)式は、株式の配分比率を減らした場合の効用の増加率を表す式であるから、図表1から、株式の配分比率(x)の値を
減らしていくと、あるところで取引コストが効用の増加率を上回る。これが株式への配分比率の上限xUである。
よって、効用の増加が取引コストを加味して0になる地点がxUとなる。
をxについてといて、下記となる。
これを問1の式を使って変換すると、
となる。
第7問 問4
問3での検討結果を踏まえて、取引コストを勘案した最適なリバランス・ルールを示しなさい。
■答え:
株式の配分比率が
を下回った場合、はxLまで株式配分比率を増やす。
株式の配分比率が
を上回った場合は、xUまで株式配分比率を下げる。
第7問 問5
問2で示されたパラメータの値と、投資計画期間nが5年、リバランスの取引コストkが0.015であるという
前提に基づくと、リバランスしないかい離許容幅は上下何%ですか。答えは小数第2位まで示すこと。
■答え:
問5の結果より乖離許容幅は上下
であることがわかる。
よって、この式に値は代入し、
τk/n A |
=
| 0.17×0.015/5 0.02656 |
=0.01920
|
よって、1.92%
第7問 問6
PAAからの乖離許容幅に対して、(1)取引コスト、(2)投資計画期間、(3)リスク許容度の3つの要素が与える影響に関して
述べなさい。
■答え:
問6の乖離許容幅の式から考えればよい。
式の分子にあるτ・・・リスク許容度、k・・・取引コストは値が大きくなると乖離許容幅が大きくなる。
逆にn・・・投資期間は値が大きくなると、乖離許容幅が小さくなる。
(1)取引コスト・・・取引コストが大きくなるとリバランスを行う際のコストが大きくなるため、乖離許容幅を大きくする要因となる。
(2)投資計画期間・・・投資計画期間が大きくなるとリバランスを行う際の相対的なコストが小さくなるため、乖離許容幅を小さくする要因となる。
(3)リスク許容度・・・リスク許容度が大きくなると、PAAから乖離することによるリスクより、取引コストがかかることが重要視されるため、乖離許容幅を
大きくする要因となる。